近所の商店街の中のオサレコーヒースタンドは老若男女問わずいつも賑わっている。暖かい雰囲気が漂う。
なぜだろう?と思いつつ足が向かなかったが、昨日行ってみた。
コーヒーの知識がない顧客にも親切に教える、ドリップを待つ間店員さんから話しかける(ご近所ですか?等)。なるほどねえ#人気店— 小川 正美/たまに戦う弁護士・心理カウンセラー (@MasamiOgawa_LLL) May 18, 2021
皆さま、こんにちは!愛し合っていますか?
ここのところ、パートナーシップネタが続いておりましたので、たまにはビジネスっぽいことをお話したいと思います。
ブログではあまり書いたことはありませんが、私は、結構、街やお店や人の流れを観察することが好きです。東京は、特に、ほんの数キロ、場合によってはわずか数100メートル、ちょっと隣駅に移動しただけで、街の雰囲気がガラリと変わります。
電車移動でも感じますが、首都高に乗っていると顕著に「街の箱庭感」を感じます。レゴみたいな感じ、というか、シムシティ(というゲームが昔あったのです)みたいな感じと言いますか。
それがイヤだという方もおられるかもしれませんが、私はとっても好きなんですよねえ。今の街並みになった理由が江戸時代にあったりして、それもまた脈々と受け継がれる人間の営みを感じて、興味深いのです。
さてさて、本題は、上のツイートのとおりなのですが。
うちの近所(住宅地です)の商店街の中に、オサレコーヒースタンドがありまして。いつ見ても、結構な賑わいを見せているんですね。それも、老若男女問わず。近所のおじいちゃんおばあちゃんも買っている。しかも、色々立ち話をしている風。和んだ雰囲気で、微笑ましい。
確かに、近隣に競合店はないのですが、なぜこのお店は人気なのだろう??と気になりつつも、なぜだかずっと、足が向きませんでした。私、天邪鬼なんですよね・・・本当は行きたいのに、なぜか行かない時がたまにある(笑)
ですが、先日、ふと、ちょっと気分を変えよう、小さなことだけれど習慣を変えてコンフォートゾーンを抜け出してみよう!と思い立ち、ついに?そのコーヒースタンドを訪れたのです。
その時も先客の4,50代の女性(ご近所から来た感じのカジュアルな服装)がいらっしゃって、店員さんと天皇杯(サッカー)について、なかなかマニアックな会話を繰り広げておりました。(詳しくは分からなかったけど、そういうの嫌いじゃない)
そして、コーヒーを注文して、ドリップをしてもらって、会計して、持ち帰って、このお店の人気の秘密が分かったように思いました。以下、分析です。分析好きなのです。
●ハード面
・店舗内:イートインスペースは1卓だけ。オシャレな外装、日替わりコーヒー3種、焼き物菓子のスイーツ、コーヒー豆、オリジナルグッズも販売。
- ・・・・ということは、お店が狭い(失礼?)。つまり、賃料が安い。すなわち、固定費が安い。
- ・・・・1卓だけイートインスペースを設けた意図は不明だけれど、お休みどころとしても機能する、1卓だと満席感による賑わい感が作りやすい、テイクアウト客が大勢いる時に路上で並ばないよう安全面・ご近所迷惑防止面の対策にもなる?
・外装:おそらく店主の好みにしている。お洒落だけど、特筆すべき点はない。
・商品:提供メニューや物販は、最近よくある(と言ったら失礼だけど)コーヒースタンドとあまり変わらない。在庫ロス防止のために賞味期限の長い焼き菓子は鉄板だよね。あと、ドリンクはそもそも原価率が低いし。
・競合:近隣にカフェが3店舗。うち1店舗はチェーン店。もう1店舗は、オサレ系。もう1店舗は、喫茶店で食事も充実。テイクアウト専門店はなく、「家で(勤務先で)ハンドドリップの美味しいコーヒーを飲みたい」という需要を充たすのはこのお店だけ。
・社会情勢:コロナ禍により、テイクアウト需要が喚起されたことも追い風かも。特に高齢層の需要が増えそう。
●ソフト面
・サービス:ハンドドリップの価値。
- ・・・・豆を挽いてハンドドリップのコーヒーを淹れるのが面倒だと思う人は、案外多いのかも?(自分がハンドドリップ派なのであまりよく分からなかった)
- ・・・・あと、ハンドドリップ派でも、外で美味しいコーヒーが飲みたいことも、当然ある。
・サービス:お客さんを孤立させない接客。
- ・・・・私の先客さんは常連さんのようだったけれど、私の番になったら、店主?店員さん?は、即座に私に話しかけた。「ご近所なんですか?」と。おそらく、老若男女問わず、誰に対してもそうしているのだろうと感じた。ハードル高い系の飲食店において、常連さんとの扱いの違いに逆に燃えて「よし、通って私も常連になるぞ!」という場合もあるだろうけど、コーヒースタンドのような客単価も滞在時間も低い業態の場合は、薄利多売なのでたくさんのお客さんに来て貰う必要がある。そうだとすると、一見のお客さんを孤立させない接客というのは大切なのだと思う。
- ・・・・また、「お洒落」「若者」風なお店に対しては、いずれか又はいずれもの要素に抵抗を覚える人も多いだろうが、親しみやすい接客で、ハードルを下げている。スタンド形式であるため、路上の通行人が客層を見て「お洒落じゃない人(失礼、笑)も買ってる」と思えるのも良いところかと。
こうしてまとめを眺めてみると、やはり、ハード面よりソフト面、つまりサービスが良い店が求められている時代なんだなあと思う。
人とのつながりが貴重になっているのかもしれませんね。