いきなり古いCMのタイトルですみません(笑)
年末年始に、本を読んだ。
愛着障害の克服 「愛着アプローチ」で、人は変われる (光文社新書)
- 作者: 岡田尊司
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2016/11/17
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (1件) を見る
精神科医の岡田尊司先生の著書。
医療少年院で20年臨床に携わった経験をお持ちで、私は今回友人に薦められて初めて読んだが、根底に愛のある素晴らしい先生だと思った。
対症療法メインの医学的アプローチに対し、幼少期の親との関係で安定した愛着を築けなかった愛着障害を克服するアプローチ(愛着モデル)によって、抜本的な問題解決に至るケースが多いとのこと。
乳幼児期に長期にわたって虐待やネグレクト(放置)を受けたことにより、保護者との安定した愛着(愛着を深める行動)が絶たれたことで引き起こされる障害の総称。愛着障害を示す子供には衝動的・過敏行動的・反抗的・破壊的な行動がみられ、情愛・表現能力・自尊心・相手に対する尊敬心・責任感などが欠如している場合が多い。他人とうまく関わることができず、特定の人との親密な人間関係が結べない、見知らぬ人にもべたべたするといった傾向もみられる。施設などで育ち、幼少期には手のかからなかった子供が、思春期に万引きなどの問題行動を起こす例もある。適切な環境で継続的に養育することで大幅な改善が期待でき、その点で広汎性発達障害と明確に区別される。→反応性愛着障害
不安定な愛着は、少年の問題行動や非行に限らず、
大人においても、パートナーシップやその他の人間関係で、相手に依存したり、真意と逆の天邪鬼な言動をしたり、相手をコントロールしようとしたり等の問題として表出する。
それは、本来、本人の「安全基地」となるべき親や配偶者等が、自身にも愛着の問題を抱えているために、本人を安心させるどころかかえって本人を傷つけてしまうからだという。
これを、医師やカウンセラーといった第三者が臨時の安全基地となり、本人を安定させ、その間に本来の安全基地である家族達の愛着を修復することで、諸症状が抜本的劇的に回復するケースが多いという。
確かに、私の知るところでも、愛着の問題が姿を変えて法律問題となっているケースは大いに思い当たる。
愛着の問題が解決したらいいのに、と心から望むが、弁護士のところまで来るような案件は、たいていお互いに引くに引けなくなっているので、感情的に許しあうのは困難なことが多い。
それでも、少しでも寄与できればいいなと思う。
それは、当事者のためでもあるし、何より、私自身のためでもある。
岡田先生は一般向けにも多くの著書があるので(既に3冊読んだ)、学びたいと思う。