皆さま、こんにちは!愛し合っていますか?
2月だというのに、河津桜じゃない桜もチラホラ咲いている今日この頃の暖かさ。
花粉症の方、頑張って下さいね~(他人事感)。などと言って、いつも花粉症の友人達から「お前も花粉症になってしまえ!」と呪いをかけられますが、今のところは大丈夫なようです。
さて、先日の遺産分割シリーズに追記しようと思いました。
①では、遺産分割協議が終わっても同族会社の支配権やのれん(ブランド)を巡って長期にわたるきょうだい間の争いが生じる場合があるよ、それを止めるのはとても難しいけれど、きょうだいに対する愛という真意に気が付くことが鍵になるだろう、そうすれば少なくとも自分の心の内は平和になる、というお話をしました。
②では、遺産分割協議で揉めるパターンの1つとして、きょうだい間で固定化された役割のなかで、優しさや器用さ有能さゆえに損な役回りをしてきた人(しっかり者の長子タイプ)のため込んだ怒りが爆発するというパターンがあること、こうした紛争を防ぐためには、相続発生の前から、できれば当事者全員がご自分の人生の棚卸しをして役割から解放されて本来の自分らしく生きること、をお話しました。
誰も悪くない、これまではそうするしかなかった、とご自分の頑張りも悲しみも愛情も全てを肯定的に受け容れて、
これから、いかに、本来のご自分の人生を取り戻して生きるか。親きょうだいの面倒を見るという役割を棄てて、自分のために自分の選択で生きていくか、によって、骨肉の争いの防止の可否が変わっていきます。
今回は、②で人生の棚卸しをおすすめしておきながら、その目的や方法についてサラリとしか触れなかったので、もう少し掘り下げようと思います。
サブタイトルのとおり、人生の棚卸しの目的は、親きょうだいと丁度良い距離感を作ること。です。
人生の棚卸をして親きょうだいと仲良くなることを目指す!というわけではありません。
また、棚卸しをしたからと言って、親きょうだいとすごく仲良くなる!というわけでもありません。残念ながら。
むしろ、以前よりも心の距離が離れることも多いかと思います。
かといって、冷たい関係になるわけではなく、以前よりも愛情の水脈に滾々と水量豊富に愛が湧き出ているのが感じられるため幸福感をより多く感じることができたり、これまで到底許せないと思っていた相手に対しても「まあ、しょうがないか」と大目に見てその上で自分をきちんと守ることもできる余裕が生まれます。
逆に、これまで距離が近すぎた親子やきょうだいであれば、それぞれが自分の人生を見つめ直すことによって、親きょうだいを背負う役割を負ってきた人はご自分の豊富なエネルギーを本来の自分がやりたいことに注げるようになりますし、親きょうだいを頼り過ぎていた人は子どもを卒業して大人として生きることができるようになります。
誰も悪くないし、誰もかわいそうではないことを、何度も腑に落とすことで、だんだんと、自分が楽になり、その反射的な効果として、周囲との関係も良好になっていきます。
★根本裕幸先生のこちらの記事がとても参考になります。
では、人生の棚卸しはいったいどうやってするのか?についてですが、かなりたくさんの方法がありますし、ケースバイケースですが、ここでは、「損な役割を背負ってきた人」向けに、少しワークをご紹介します。
ノートと筆記用具をご準備下さい。パソコンやスマホでもOKですが、手書きの方がより感情を見つめやすいのでお勧めです。
①今起きている問題(親の介護、財産管理、家業、きょうだいの問題等)に関して、自分が、親(亡くなった方も含む)、きょうだい、(関係が深ければ)祖父母、従兄弟などに対してどのような感情を抱いているのか、書き出してみる。
(例)「菩提寺との付き合いを全部私に押し付けるきょうだいにむかつく」等
②その人に対し、これまで、似たような感情を感じたことはありませんでしたか?子どもの頃から思い出してみて下さい。その原体験に気が付くだけでも、気持ちがすっきり癒され始めます。
③①②とは別の角度から、時系列に沿って、自分史を書く。主な出来事の事実を書き連ねる。これはパソコンの方が作業しやすいかもしれません。作成するうち、色々な出来事の記憶が喚起されてきて、感情も湧き上がるかもしれません。感情が湧き上がったら、ノートに書き記しておきます。
④①~③で書き出した感情について、「私、こう感じているんだなあ。」と俯瞰して、客観的に他人事のように(私の花粉症の人に対する態度のように!)観察をしてみて下さい。書いた出来事と感情に紐づいてまた違う記憶や感情が湧いてきたら書き出し、見つめる。これだけでもスッキリすると思います。
前回の記事でも書きましたが、私が人生の棚卸しを強くおススメするのは、棚卸しをすることによって、相続問題に限らず、家族、パートナーシップ、仕事、ライフワーク、人生の全ての局面において、明らかに生きやすくなることを体感しているからです。
また、弁護士として紛争に直面したクライアントさん達を多数見てきて、棚卸しをしているか否かによって、紛争への向き合い方捉え方や解決へのスピードとその後の幸福度に雲泥の差があることも実感しています。これは性別や年齢は一切関係ありません。
相続の争い防止に限りませんが、30~40代から、人生の棚卸しをされることを強くお勧めします。一時的につらい感情を感じることになりますが、その後、ネガティブな感情に振り回されることが減り、振り回されても回復が速くなるので、エネルギーをポジティブな方に向けることができ、人生の後半の幸福度・充実度が違ってきます。
伴走者が必要だわ!とか、書いたけど自分の本当の感情が分からない!とか、本音は湧いてくるけど書くことができない!という方は、3月20日のマミコちゃんとのオンラインワークショップに、ぜひ!お越しくださいませ。
近日、正式告知&募集をいたします!!