大阪と京都に旅行に行っていました。
京都御所の隣、同志社大学に敷地を貸しているという相国寺の承天閣美術館にて、「浮世絵最強列伝」を観てきました。
2色刷りから多色刷りへ、図版も増え、グラデーション、布地を使って凹凸を出す(名前を失念)などの様々な技法の進化、
そして北斎、広重、写楽ら天才達の出現により、構図や配色が進化し、何よりも江戸時代の人々の暮らしを豊かに活き活きと写し取る視線が顕著になっていました。
浮世絵の技法を今に受け継ぐ、アダチ版画研究所さんの摺った版画も展示販売されており、今の時代に浮世絵が再現されていることに、感動しました。
http://www.nikkei-events.jp/art/ukiyoe/
おこがましいことですが、私は、
優れた絵画やデザイン、ファッション、映像、建築といったありとあらゆる美しいものの中に、
「効いている」色や余白、
「そこから来たか!」という視点、
目が離せない奥行きや枠の外に感じる拡がり、
温度や湿度や生命力、
などなど
を感じると、
創作者の才能に「やられた!」と嫉妬にも似た気持ちになります。
でも同時に、それ以上に、
自分に新たなインスピレーションを与えてくれたことに、感謝もするのです。
美しいものを前にすると、
嫉妬を感じ、
感謝を感じ、
それと同時に、
どこか静かな、敬虔な気持ちになります。
様々な感情が複雑に揺れ動くのですが、
それは決して嫌な心地ではありません。
むしろ、心地良い。
自分の心の中の宇宙と、作品に込められた作者の心の宇宙が巡り会い、共鳴し、反発し、引き合うような。
エネルギーの循環のような。
美しいものに出会い、その世界に浸ることのできる幸せを、これからも味わっていきたいなあと思うのです。