ここ最近、私は、自分をどんどん出していこうと決意し、行動しています。
その理由はたくさんあるのだけれど、
そのうちの1つについて書いていきたいと思います。
昨年、私は、一審で勝訴し高裁で勝訴的和解をした相手方本人から、所属の第二東京弁護士会に対し懲戒請求を申立てされました。
その懲戒請求は、はっきり言って、訴訟の結果に対する不満の八つ当たりが私に向いただけのことであり、懲戒される理由がないと考えたので、私自身の代理人弁護士を依頼することはせず、自分で対応をしました。
それでも、
私に対する恨みつらみがたっぷりと記載された懲戒請求書を読み、
長文の反論書面を書き、膨大な訴訟記録から書証を選択提出し、弁護士会の綱紀委員会の調査期日に出頭する時間的精神的負担、
万が一にも懲戒処分がされたらと想像する恐怖は、
報酬ゼロの手持ちの訴訟案件、それも社会的意義などなく単に重たい部類の案件が1つ増えたようなものでした。
また、本来であれば私の依頼者ないし相手方代理人に向けられるべき怨嗟が私に向いたことにも、怒りや悔しさ、悲しみを感じました。
当時、私は自分1人で事務所をやっていたので、ああ、女性1人だから相手方は攻撃しやすかったんだろうな、私の見かけがチャラチャラしてるから相手方は余計に腹が立ったのかもしれないな、と思って落ち込みました。
この件とは別に、従前から、私は相手方本人にいわれのない悪意を向けられることが頻繁にあり、
もしかして私が悪いのかしら?
などとまるで性犯罪やDVの被害者のような思考もしてしまいました。
🌻🌻🌻🌻
果たして、今年の3月、二弁の綱紀委員会より、無事、懲戒不相当との通知が届きました。
私は、ほっと胸をなで下ろしました。
相手方に対する慰謝料請求訴訟を提起することを検討しましたが、通常業務に加え、事務所移転開設が重なり、それどころではなくなりました。
🌻🌻🌻🌻
ところが、6月末、日弁連より、私宛、親展の簡易書留封筒が届きました。
イヤな予感がしました。
予感は当たり、相手方は、二弁の決定に不服があるとして、日弁連に対し異議申出をしたのです。
悪意は、向けられた者に対し、時には生死に関わるダメージを与える。
私の場合、生死にまでは至らないものの、自分が依頼者のために戦い、法的に正しい結論を得たことで、ここまで長期にわたって理不尽な目に遭わなければならないことに、大きな衝撃を受けました。
複数の先輩弁護士や同期らに相談をしました。
人によっては、「相手方からの懲戒請求は、それだけ良い仕事をしたということなんだから勲章だ」と慰めてくれました。
それは、男性弁護士たちでした。
確かにそのとおりかもしれないし、慰めてくれたことには大変感謝をしています。
でも、私の中の女性性が、悪意を向けられたことへの悲しみ、恐怖を訴えており、私は、その感覚を、男性的な思考で強がって封じるのはイヤだったのです。
今回は、人に助けて貰おう。
そう決意して、諸々考えた結果、元ボスに、代理人をお願いしました。
ボスは、快諾してくれました。
もう辞めて4年にもなる私なのに。ありがたくて、電話口で涙が出ました。
人を頼っていいんだ、弱くてもいいんだ、と、自分に許可を出すことができた瞬間でした。
ちょうどこの頃に、男性弁護士と2人体制の事務所に変更したことも、私が、潜在的に選んでいたのかもしれません。
🌻🌻🌻🌻
一方で、
事務所内や同業者同士ならともかく、対外的に女性としての弱さを認めてさらけ出すことは、
私にとって、相変わらず恐怖でした。
人々は弁護士に傭兵的な要素を求めているのに、そんなに弱い存在ではクライアントが離れてしまうと恐れ、
自分自身の「弁護士は強くあるべき、そうでないと仕事で傷つく」という観念に苦しめられ、
男の人に負けたくないという競争心も出てきたからです。
本当に強い人は、自分の弱さを認めている、と頭では分かっていて、「一定程度は弱さを出せば人から可愛がられる」などと賢しげな判断をしてそれに沿う経験をしていても。
怖いものは怖い。
でも、
本当の私は、
そんなに強くないし、
やっぱり人から嫌われるのはイヤだし、
恨みを買うのは怖い。
この弱さを認めて、ありのままの自分を出すほうが、
私自身が、生きやすい。
変な強がりの鎧を着て、それを頼りにされても、結局、クライアントを失望させてしまいかねない。
こう考えたので、
もう本音で生きていこう。と決意しました。
🌻🌻🌻🌻
そうしたら、なぜか、時間の経過のおかげもあるけれど、懲戒請求をしてきた相手方への恐怖心は薄れ、
今、自分の周りにいてくれている方々への感謝の念が、ふつふつと湧いてきました。
そして、
弱い自分を認めたら、
スーパークールビズで裁判所に行っちゃう自分も、
平日に軽井沢に行ってなおかつそれをFacebookに全公開でアップしちゃう自分も、
自撮りを全世界に公開しちゃう自分も、
何だか面白くて、可愛らしくて、女性らしくて好きだなあ、と思えるようになったのです💖
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(余談)
先日、大学教員の女性の友人が、職場のノートパソコンを発注するにあたり、ピンク色を選ぼうとしたら、50代の同僚男性2人から、「いい歳して痛い」などと批判されたそうです。
結局、友人は、黒のパソコンにしたとのこと。
私は、組織に向いていないので、そういう同僚とは一緒に働かなくていい環境にいるため、気軽に言えるだけなのかもしれませんが、
できれば、その男性達に、「セクハラですよ。」とはっきり言い、
その上で、「ピンクかわいいでしょ?気持ちが上がりますよ💖〇〇先生も好きな色にしたら良いと思います~😊」と対処して欲しいな。と思います。
自分の可愛らしさを認めることができたら、
影で何を言われても気にならないし、
影ではなく面と向かって言ってくる人がいる環境にいるということは、
友人は、彼らに、大人の女性の可愛らしさを教えてあげるお役目なのでは、と勝手に思っています。