今年から、八ヶ岳の麓の知人の田んぼの小さな区画で、体験的に無農薬の稲作をやっている。
本当に体験的で、最低限のミッションは、田植え、草取り２回、稲刈り。希望者は、苗を育てたり、区画分けのロープ張り等にも参加できる。友人である八ヶ岳Cladleのオーナー、あずちゃんからの紹介で彼女の隣の区画に入れてもらったのだ。
以前から、複数の友人知人たちが実際に稲作をしていたり田植え体験の素晴らしさを語っていて、私もやってみたいなあ、と憧れを抱いていたので、１つ夢が叶った。
これもやっぱり引き寄せだよね？ウフフフ。
名義人は私だが、もちろん、１人で田植えをするはずがない。ていうか、できない。
自慢じゃないが、私は、体力も筋力もないのだ（キリッ）。
なので、田んぼの仕事については、友人たちの力を大いに借りている。
今回は、２回目の草取りに行ってきた。平日・日帰りだったので（渋滞回避のため平日に決行）、最少催行人員？の２名、私と田村洋子ちゃんで行ってきた。
ここ数日雨が続き、当日の朝８時も、東京は雨だった。
しかし、中央道を北西に向けて進むにつれて、雨が止んできた。談合坂サービスエリアで、お決まりの「信玄餅ソフトクリーム」を食す。
次は、帰りに立ち寄る、ソフトクリームの美味しい八ヶ岳パーキングエリア。下り方面には行ったことがないねえ、ということで、様子見に立ち寄る。ここでのソフトクリームは、「今日のところはこれくらいで勘弁してやる！（＝ちょっと今はソフトクリームはいいや）」とイキッて、次回以降のお楽しみにする。
１１時半前に、田んぼの最寄りの道の駅に到着。前回売り切れで食べられなかった蕎麦を食す。満足。
そして、田んぼで草取り作業。天候は、曇り。暑くもなく寒くもなく、絶好の田んぼ日和である。
アザミやシロツメクサやたくさんの花々（花音痴なの。）が咲き乱れ、白、黄、黒のたくさんの蝶々が舞い踊る畦道をてくてくと歩く。
私は、これが３度目の水田体験。覚束ない足取りで歩いて行く。
洋子ちゃんは、実家に田んぼがあり、子どもの頃農作業を手伝っていたということで、私から見たらプロである。
田んぼの泥パックのようなぬるりとした感触、少し気温よりも温かい足を取られるけれども吸い付く感覚が心地良い。
まさにアーシングで、地球に繋がって、思考（頭）に上がり過ぎた気というかエネルギーが降りていくのも心地良い。
そして、何より、田んぼの中にいると、童心に返ってしまう。
オタマジャクシがいたり、蛙がいたり、アメンボがいたり。思わず「オタマジャクシは蛙の子～♪」と歌い出し、変な作詞作曲の歌も即興で歌う。
童心と言えば、田植えの時には、大人気ない大人たちが雪合戦のように苗を投げ合うという風情のある光景を見ることができた。
もちろん、私は投げていませんことよ。ええ。
水田に生えた雑草を、手でざざっと引き抜く。２回目なので、そこまで深刻な根付きはしておらず、するすると取ることができる。
洋子プロは、素早い作業ぶりで、区画の約３分の２も抜いてくれた。感謝感激雨あられである。だって、私はちょっとしか作業してないのに腰に来たから(笑)
そして、帰りのお楽しみは温泉。
ところが、お目当ての韮崎の温泉に向かい、甲州街道を進む途中、標識が目に入る。
「→ 駒ヶ岳神社」
洋子ちゃんに許可を得ず、ウィンカーを出して右折する我。
駒ヶ岳神社のことは何も知らなかったけれど、何となくフラフラと行く気になったのだった。
甲斐駒ヶ岳の登山道入り口の駐車場に車を停め、そこから５分ほどの道のりを歩く。登山道なので、舗装されていない。登山者と思しき女性とすれ違い、自分のサンダル姿にはにかみつつ挨拶する。左手には、尾白川の清流が流れる。渓谷にキャンプ場もある。
右手に、突如として苔むした巨岩が現れ、その場の空気が変わった。
重々しい、大量の水分を含んでいるがじめじめとはしていない、力強いがしなやかさもある男性的な迫力の神社が、そこに存った。
うっそうと茂る杉の森、境内の神域とされる龍の口から吹き出るような滝、駒ヶ岳講が盛んなりし頃に多く建てられたと思われる、神仏習合時代の名残のある『不動明王』等の文言が掘られた石碑の数々。
余りの迫力に、写真を撮ることがためらわれた。
参拝を終え、車に戻ると、雨が降り出した。
「総髪の老武士、長老みたいな神社だったね。」
「こっちに目線を配らずに、『おう、来たか。』的な。」
「そう、でも優しいの。」
洋子ちゃんと、そんなことを話しながら、温泉に行き、帰路についた。
ちょっと変な話？
でも、感じたことをそのまま「ある」と信じることができると、幸せなのよ。
それが、たとえ不思議なことであっても。
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