皆さま、こんにちは!愛し合っていますか?
たまに戦う弁護士&心理カウンセラーの小川正美です。
今日のお話は、性的な話題が含まれていますので、抵抗のある方はお読みにならないでくださいね。
先日、整体に行って、セラピストさんと性犯罪の量刑についての話になったんですね。
弁護士の仕事をしているとこうした刑事事件ネタは話題の鉄板とも言えるのですが、私は、自分が弁護人の仕事をすることから、どうしても量刑を軽くするのが原則的な自分の仕事、という頭があるわけです。
このため、私は、「いやあ、性犯罪でも、ちょっとそれは重すぎるんじゃない?と思う時もありますよー。もちろん、事案によりますけれども。」などと言いました。
これに対して、セラピストさんは、「いや、性犯罪の量刑はもっと重くていいでしょう!」と言いました。
もちろん、一般的な国民感情(っていうと政治家みたいですが)からすると、さもありなん、と思います。
興味深いのは、私は女性で、セラピストさんは男性。女性が(ほとんどの被害者が女性である)性犯罪に対して量刑が重い、と言い、男性が逆のことを言っている、という点です。
その時には話題が他のことに流れたこともあって、それ以上深くは考えなかったのですが、今日、例の訴訟の件についてつらつらと自分の心を見つめていたところ、この話をしたことを思い出しました。
★例の訴訟の件。
例の訴訟の件は、訴訟を提起してまで私を攻撃したい・私に文句を言いたい相手方の依存心の問題(そして似た依存心を私自身も持っている、私の問題でもある)というのが、現時点での私の整理です。
これを前提に、今日は、私は、なぜこんなにも男の人の不機嫌がイヤなのだろう?ということを掘り下げてみました。
不機嫌に対してイヤだと思うのは、みんな当然です。ただ、それに対する対応が、主に2つに分かれます。
「男の人が不機嫌だから、何とか宥めなくちゃ」と、ご機嫌を取ったりなだめすかしたり要求に応えたり説得してみたりする、他人軸な対応と、
「そんなもの合わせる必要ない!」という自分軸な対応です。
私は、もともとは、後者のタイプで、「不機嫌はイヤです。合わせません。」というオーラをバリバリと出していました。
ですので、元夫や若い時の元カレ、男性上司や先輩から、モラハラ的不機嫌をぶつけられたことはほとんどなかったと思います。弟に一度やられて泣かされた(笑)ことはありますが、その時以外はほとんど言い返して強気な態度でしたし、今もそうです。
けれども、弁護士になって以来、なかなかそう強く出ることができなくなってしまいました。
それは弁護士になったことが理由なのか、まだ判然としないのですが、おそらくそうです。
報復が怖くなったから、言い返せないんですね。
弁護士という職業は、必ずと言っていいほど相手方からは嫌われますし時には恨まれます。案件の内容にもよりますが、時には弁護士への殺人事件に発展することもあり(私が2年目の時に2人の弁護士が離婚事件の相手方に刺殺されるというショッキングな事件がありました)、そこまで行かなくても反社の構成員が押しかけてくる、相手方が事務所に乗り込んでくる、鬼電してくる、といったことは、珍しいことではありません。
だから、法律事務所はかなりセキュリティをきっちりしていることが多いです。
もちろん、自分が取り扱う案件の内容・客層によって、こうしたトラブルが起きる可能性はかなりの程度減少させることができますので、私は、今は、例の訴訟の相手方以外にこのようなトラブルはありませんし、相方の弁護士も同様です。
とはいえ、今でも、私の中で報復の恐怖心は大きいのです。
想定される報復というのは、弁護士になる以前に私の住んでいた世界において想定していた「男の人の機嫌を損ねたゆえの報復」、例えば怒鳴られるとかその場から離れるとかとは、レベルが全く違うのでした。現に訴訟提起されているし(笑)
それにしても、そこまで恐怖心を抱かなくてもよいのではないか。
安全な環境だし、例の訴訟の相手方も、おそらく非合法な攻撃はしてこない。
それに、私が男性の不機嫌に対してNoを言って、もし報復を受けたとしても、命を取られるようなレベルではない。
なのに、なぜ?
不思議でした。
深く自分の恐怖心を見てみると、どうやら私には、「私にはやり返す力がない」という無価値感があるようでした。
もっと具体的には、腕力がない、経済力がない、という観念(思い込み)。
これらの無価値感を補うために、弁護士資格という権威、ある意味権力を持っているわけですが、それでも、現実として、私は攻撃を受けています。これまで攻撃を受けた人は、いずれも、相手方の男性でした。
この事実は、私が自分の持っている権威の力を信頼していない、自己不信があることを示しています。
正確に言うと、権威の力を信じている程度よりも、腕力や経済力がないと信じている程度の方が大きいので、結果として、「私は、力がないから、報復される。」という思い込みが創られてしまっているようです。
これは、権威(男性性、通常父親が有している性質)を信頼していないからなんですよね。つまり、何度でも出てくる、「父親が突然死してしまったため」自分が権威を手に入れてさえ権威を信じ切ることができないという問題です。
父のことは、今回はこれ以上触れませんが、この構造によって、私には、
「権威よりも、腕力や経済力の方が強い。私にはいずれもないから、私は弱い。」「いざとなったら、女は無力だ。」という観念(思い込み)があるのです。
経済力がない、という思い込みは、母由来のものです。これも、今回はこれ以上触れません。
腕力がない、という思い込みは、まあ事実なのですが、腕力がない=報復される、無力だ、ではありませんよね。
いえ、もちろん究極的には男女で力比べとなれば腕力がないから負けるのですが、客観的にみて、今は防犯の手段もいろいろありますし、少なくとも都内の私が行動する範囲は治安もいいですし、そんな不安など持つ必要はないのです。
現に、私も、普段の日常生活においては腕力の不安などほとんど感じていなかったので、今回、自分を内観してびっくりです。

もっとも、私は、若い頃には、いたずらや痴漢やセクハラに遭いました。
それが頻回なのかどうかは分かりませんが、電車内の痴漢レベルであれば、当時私の周りで被害に遭ったことのない女性の方が珍しかったのではないかと思います。
いたずらやセクハラは、触られる、ホテルに誘われる、などでした。
つまり、最大級の被害である強姦には遭っていません。
だからというわけではありませんが、
「みんなが遭っていること」「大したことのないこと」と無意識に思うようにしていたと思います。
小学生のころのいたずらのことは、母に言えたこともあったし、言えなかったこともありました。
私がまだ幼稚園児だったころに、母や近所のおばさん達が私のことを「この子は色気がある」と言っていて、そのニュアンス自体は非難するようなものではなかったのですが、その時に、どこか自分を悪いもののように感じたことを憶えています。
母も、働き出してから、通勤車両内での痴漢や会社内の知人のセクハラに悩まされていました。
以前述べたように、母が私に「あなたは大切な女性」と言って育ててくれたおかげで、こうした経験があっても、これまで男性との交際において自分の性的な問題は特にありませんでした。
でも、
今日になって、こんな歳になって、本当に今更ですが、
私は、全然平気じゃなかった。
すごく、すごく怖かったし、悔しかったんだ。
なんで「大したことない」なんて思っちゃったんだろう?
なんで大丈夫なふりをずっとしつづけたんだろう。
大丈夫なんかじゃなかった。
という思いが溢れました。
男の人に腕力では敵わない、という当たり前の事実。
それに対する怖い、という気持ちの抑圧。
怖い目にあったけれども、大丈夫なふりをしてきたこと。
たぶん、私は大丈夫、ということによって、母を気遣い、その他のもっと重い被害に遭った女性たちを気遣い、もしかしたら、男性たちの暴力性も受け容れてきたのかもしれません。
私自身が、今なお、自分をどこかまだ雑に扱ってしまう、すぐに遠慮して「私は大丈夫」と言ってしまう理由が分かった気がしました。
もちろん、その理由は、このことだけではなく、私が長女であることやその他家庭環境等によるところも大きいのですが。
ああ、私は怖かったんだ、報復が怖くて、男の人の攻撃に対して毅然と対応することができなくなっていたんだ、と分かりました。
分かっただけで、具体的に何かができるようになったとか、現実が変わったというわけではないのですけれども。
とてもすっきりはしました(感情は感じ切ると消えていきます)。
まとめると、要するに、もともと潜在意識に深く沈めていた「男性には腕力で敵わない」「男性の攻撃は怖い」「私は大したことはない、これくらい大丈夫」という思いが、弁護士になったことによって攻撃に対する警戒レベルが上がり、顕在化され、権威を得てもなおその恐怖心は消えず、男性の理不尽な攻撃に対して毅然と対応することができなくなった、といったところです。
これからは、理不尽な攻撃に対して、ああ怖い怖い、と言いながら、毅然と対応することができるかな?と思います。
怖いって認めちゃえば感情は小さくなっていきますからね。
まあ、これまでも、人から見たら十分毅然としてるかもしれませんが(笑)当社比大事!
そして、全ての性被害の経験者の皆さまへ。
あなたは、悪くない。
どんな被害であっても、「大したことない」なんてことはない。
大切なあなたを、どうか貶めないでくださいね。
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